成年後見制度と遺言書の違いとは?|よくある誤解をわかりやすく解説
「遺言書があれば成年後見は必要ないのですか?」
成年後見制度のご相談を受ける中で、よくいただく質問の一つです。
実は、
成年後見制度と遺言書は目的がまったく異なる制度です。
どちらか一方があれば十分というものではなく、将来に備えるためには両方が必要になるケースも少なくありません。
まずは、それぞれの役割を理解しましょう。
成年後見制度とは
成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害などによって判断能力が低下した方の財産や権利を守るための制度です。
成年後見人等が選任されると、
- 預貯金の管理
- 介護施設の契約
- 不動産管理
- 各種手続き
などを支援します。
つまり、
「生きている間の財産管理と生活支援」
が目的の制度です。
遺言書とは
遺言書は、自分が亡くなった後に財産を誰に引き継ぐかを決めるためのものです。
例えば、
- 自宅を長男に相続させたい
- 預金を子どもたちに分けたい
- お世話になった人へ財産を遺贈したい
といった意思を残すことができます。
つまり、
「亡くなった後の財産承継」
が目的です。
違いを簡単にまとめると
| 項目 | 成年後見制度 | 遺言書 |
|---|---|---|
| 目的 | 財産管理・生活支援 | 財産の承継 |
| 効力が生じる時期 | 生前 | 死後 |
| 対象 | 判断能力が低下した方 | 遺言者本人 |
| 内容 | 預金管理・契約手続き等 | 相続・遺贈 |
| 家庭裁判所の関与 | あり(法定後見) | 原則なし |
遺言書だけでは対応できないこと
遺言書があっても、
認知症になった後の財産管理はできません。
例えば、
- 銀行で預金を引き出す
- 介護施設へ入所する
- 不動産を売却する
といった手続きは、遺言書では対応できません。
遺言書は亡くなった後に効力が生じるためです。
成年後見制度だけでは対応できないこと
反対に、成年後見制度を利用していても、
- 誰に財産を相続させるか
- 誰へ財産を遺贈するか
を決めることはできません。
相続に関する意思を残したい場合は、遺言書が必要になります。
こんなケースを考えてみましょう
ケース
秋田市で一人暮らしをしている80歳の女性。
子どもは県外に住んでいます。
最近、物忘れが増えてきました。
遺言書だけ作成した場合
亡くなった後の相続先は決められます。
しかし、
認知症になった後の
- 預金管理
- 施設契約
- 不動産管理
には対応できません。
成年後見制度だけ利用した場合
認知症後の財産管理はできます。
しかし、
亡くなった後に財産を誰へ残すかは決められません。
理想的な備え
元気なうちに
- 遺言書
- 任意後見契約
を準備しておくことです。
これにより、
生前も死後も安心できる体制を整えることができます。
おひとりさまの場合はさらに重要
身寄りのない方や子どもがいないご夫婦の場合、
- 遺言書
- 任意後見契約
- 財産管理委任契約
- 死後事務委任契約
を組み合わせることで、より安心した老後を迎えることができます。
将来への備えは早めが大切です
認知症になった後では、
- 任意後見契約
- 財産管理委任契約
- 遺言書作成
が難しくなる場合があります。
「まだ元気だから大丈夫」ではなく、
「元気な今だからこそ準備できる」
という考え方が大切です。
秋田市で成年後見・遺言書のご相談なら
当事務所では、
- 成年後見制度
- 任意後見契約
- 財産管理委任契約
- 見守り契約
- 死後事務委任契約
- 遺言書作成
まで、老後の備えと相続対策を総合的にサポートしております。
元銀行員としての経験と行政書士としての専門知識を活かし、ご本人の状況に合わせた最適な方法をご提案いたします。
「成年後見と遺言書、どちらが必要かわからない」
そのような方も、お気軽にご相談ください。